その道、俺の所は階段だったんだが、それにまつわる話をふと思い出したので書いてく。
上でも書いてる通り、大人の事情だとか色んな理由で通ってはいけないと言われている道が存在する学校って少なからずあると思う。
昔の生徒が悪さしたとか、登下校中の生徒がうるさいとか。
俺の所もそんな感じで、通るなって言われてる階段があった
その小学校から丁度反対に100mほどの所が中学校。周りはマンションや家が立ち並んでる。その階段を上がってすぐ目の前に大きい公園があった。
家の場所によってはそこを通れば10分ぐらい近道できるんだけど、その階段を通らないと、ぐるっと遠回りしないといけないんだ。そんなだから、通るなと言われてはいるが、その忠告を守る奴なんかほとんどいなかった。
この辺の小学生はほとんどその公園で遊ぶ為に、その階段を通ってた。
その階段と言うのも、これがまたおかしな作りなんだ。大人になった今でも足を目一杯上げないと次の段にいけない。一つ一つの段差が大きすぎるんだ。俺たちチビッコからすれば腰より少し下ぐらいの高さの段差があった。
でもその頃はチビッコ、そんな階段すら楽しんでた。
そしてその時に、なんでここを通っちゃいけないのか?って疑問におもったんだ。
友達とたどり着いた答えが、その段差が原因なんじゃないか?という事だった。
これはなかなか的を得た答えだと、俺達は仲間同士のみで納得してしまった。
それからも小学校を卒業するまで毎日の様にその階段を登り、公園で遊んだ。
そして小学校も卒業。中学校に入学する。俺は上で出た階段から100m程の所にある中学校へ入学した。
これまたこの中学校へ行こうとすると、階段を使えばすごく近道になった。
もちろん、当たり前の様に毎日その階段を通った。
俺は運動部に入って毎日朝練に行ってたから知らなかったが、普通の登校時間になると不定期で中学校の先生が階段の所に立ってたらしい。本当にたまにで月一回ぐらいの頻度だったらしいが。
それで通ろうとする生徒を捕まえて指導してたそうだ。
そんなこんなで中学生、思春期真っ盛りの俺は、夜中まで遊ぶことも多くなった。
友達の家で遅くまで溜まり、家に帰っては親と口喧嘩する毎日だった。
そんな生活を続けてたから、学校に行く回数も少しずつ減って行った。
無免許でバイクを乗り回したり、ここで言うDQNの様なものに成り下がってた。
その友達の家に行くにも階段を通るのは近道で、学校へ行かなくなっても毎日通ってた。
夜中に帰る生活を続けていると、その階段を通るのも夜中になる訳だ。
最初は何も感じず、何も考えず、今まで通り普通に通ってた。だがそんな生活が一年ほど続いた中学2年生の冬。
本当になんの前触れも、なにか出来事があった訳でもなく、俺はその階段が怖くなった。言葉では言い表せない何かが、そこにある様な気がした。
でも学校にも行かず、無免許でバイク乗り回してるような調子に乗った中学生が、階段が怖いなんて言える訳がない。
地元にもそんな道あったわ
あると便利な場所に作ってるから不法侵入になると気づかずに通ってる奴多いんだよね
それで地主が代替わりすると揉め事になる
そういうのもあったな。看板がデカデカと立てられてた。
>>17
見る人が見れば一瞬で特定できる話の内容だから、身バレが怖い。
俺は思い切ってその友達に階段の話をした。その友達は普段階段をつかわない場所に住んでて、その存在すら知らなかった。
おそらく興味本位で、その友達はその階段を見てくるってバイクで走って行った。
俺は恥ずかしい様ななんとも言えない気持ちで、その友達が帰ってくるのを待ってた。
しばらくして帰ってきた友達は、笑いながら「何が怖いんだ?普通の階段じゃないか」と馬鹿にしてきた。
俺は拗ねて、そのまますぐ帰った。
そしてその帰りも階段を通った。やっぱり何か違う。でも何がおかしいかと聞かれても答えられない。
モヤモヤした感じで、そこから更に半年程経った。
徹夜明けだが頑張る。
周りにそんな事を相談できるはずもなく、そこで階段を使わない様にもできたんだが、俺は階段を使い続けた。
単に近道だからって訳じゃなく、そんな意味のわからない理由で遠回りしたら俺は何かに負ける気がした。ただの見栄というか、意地というか。
それでもその階段を使い続けたある日、友達の中でも一番信頼してる奴と2人きりになった。
残念だったな。
その半年の間も、俺はモヤモヤを抱きつつその階段を使ってた。でもある日、友達の一人が、バイクで事故した。俺達はそこからバイクを乗り回すことを控え、残り少ない中学校生活を送っていた。
ただ、暗くなってから階段を通るのはやはり憂鬱だった。
そんな毎日を送っていた俺は、階段が怖いと言う決定的な出来事に遭遇する。
たまたま遅くまで友達と喋っていて、気がつけば日付が変わっていた。
俺は帰り道にいつも通り階段を通ろうとした。
言い忘れてたけど、おれが帰る時は階段を降りる。つまり、俺が上から階段の下を見下ろすと、男の子2人が階段をよじ登って来てたんだ。
はじめはこんな時間にあんな小さい子2人で?と思ったんだが、なんというか、これは体験した人にしかわからないと思うんだけど、ヤバイとおもったんだ。直感というか、理屈とかじゃない何か。
この階段が怖い理由はこれだって。
気付いたら走ってて、友達の家に駆け込んだ。
家にはまだ何人か友達が残ってて、俺は必死に説明した。
ここらへんの書き方はJOJOっぽくて好き
俺はまだあの出来事が信じ切れてなくて、もしかしたら俺は大嘘付きになってしまうんじゃないかと思ってた。
でもしばらくしてもみんなは帰ってこなくて、俺はそのまま友達の家で寝てしまってた。
友達の一人に起こされた時は、朝になっていた。
それで、その友達に
昨晩出て行った友達の一人が、階段から転げ落ちたと聞かされた。
友達は全員自転車で出て行ったらしい。その階段の上で止まり、上から階段を見下ろしてたそうだ。
何もないなと話していると、先頭に居た友達がゆっくり前に進み出した。なんの違和感もないぐらいゆっくり。それで気がついた時には遅く、自転車ごと階段から転げ落ちたと。ただ不思議な事に、自転車はバラバラになってしまったのに、友達は無傷だった。
本当に無傷。擦り傷も打ち身も、小さいケガも全くなし。服が少し破れた程度だった。
俺はその出来事から階段を使うことをやめ、学校にも毎日行く様になった。もちろん学校へ行くのにも階段は使わなかった。
そしてその後何事もなく中学を卒業。猛勉強の末ギリギリ高校へも入学できた。
高校になってからも階段は使わず。それが当たり前になって来た頃に、小学校時代の担任にばったり出くわした。
おいwwwwwwwwwwwwwww
他愛のない世間話をしていたが、俺の脳裏を階段のことがふっとよぎる。思い切って聞いてみると、ものすごく嫌そうな顔でポツポツと教えてくれた。
まず最初に周りの住宅街について。
これは一軒家や住宅を建てる為に、元々墓地があった場所を取り壊したらしい。墓地があった場所に無理やり家を建てた。
そこらへん一帯の家はほとんど墓地の上に立ってるらしく、そこの住人は当たり前かのように心霊現象というものを体験している。また別の時、ある友達の家がそこにあったんだが、たったの数時間居ただけで手が見えたってぐらい本物。
そして階段を登ってすぐの公園。
後出しになるんだが、この公園がなかなかデカイ。近所のおじちゃんがランニングに使ってたり、中学の部活動で走り込みをやってることもある。
この公園の一番奥、少し目に着きにくい所に祠があるそうな。真っ二つにヒビがはいった祠が。
祠の周りにはフェンスが立てられて、近づくことはできない。
この祠、どれだけ調べても何を祀っているのかわからないんだと。なんの為にあるのかが全くわからないらしい。
更にその祠、基本的には触らないことちなってるんだが、何者かがフェンスに侵入し定期的にお供え物を供えていくそうだ。
町内会では注意を呼びかけやめる様に言ったらしいが、なくなる事はなく、今現在でもお供え物は続いてる。
この県営住宅は、昼間でも身構えてしまう程の雰囲気がある。
壁は落書きだらけ、電灯は交換されてないからカチカチしてるし、全体的に薄暗い。そんなだから、噂か真実かは別としてそういう類の話が絶えない。
そこに住む知り合いの話なんだが、ドアを開けた瞬間人が落ちていったんだと。物凄い音がして、恐る恐る下を覗き込んでも誰もいなかったとか。
ここは昔戦争で物凄い数の人が亡くなった時、やり場に困った遺体がゴロゴロと転がってたそうだ。
公園の祠は、その人たちを治める?為なんじゃないかと言われてる。
そしてあの階段。
この階段は戦後作られたそうなんだが、幼い兄弟がその高さ故に階段から落ちて亡くなってしまったらしい。
俺はそれを聞いた瞬間ゾクッとした。だって、あの時見た男の子がその兄弟だったとしたら。全て話があってしまう。
俺は内心怖がりながらも、その先生に言われるがままに階段に向かった。
始めは意味がわからなかったが、なんで階段以外の話も聞かされたのかがやっとわかった。
前を向けば祠のある公園。
右を向けば共同墓地と県営住宅。
左を向けば中学校。
後ろを向けば墓地の上に建てられた住宅。
全方向どこを向いても、そういう物に囲まれてた。
「あそこから見てる」
先生はそう言って山を指差した
少し横にずれると住宅で隠れてしまうのだが、その階段からはしっかり見えてしまう。
その墓地に、昔ここにたってたお墓を全部移動させたそうだ。
だからあそこから見てるんだと。
この辺りで俺は、中学校の先生がたまに見張ってたことを思い出した。
いわゆる兄弟の月命日、毎月一回は教師が立ち、異変がないか見ていたとのことだった。だから先生が立ってたのは月一回だけだったと。
俺は気持ち悪いのかスッキリしたのかわからず、先生と別れて家に帰った。
それから後日、階段の兄弟の件を調べてみた。ネット、図書館へも行ったが何の収穫もなし。
先生の俺を怖がらせる嘘だと思ったが、それにしては話ができすぎていた。
戦後の荒れた時代だったから何も残らなかったのだろうか。ただの言い伝えなんだろうか。真実はわからない。
結局俺の幻覚だったのかもしれないし、本当に何かがいたのかもしれない。
ただ、今でも俺みたいな小学生や中学生は毎日通ってると考えると、恐ろしいきもちになる。
あれだけの人間が階段を使っていて、異変を感じたのは俺だけ。階段から落ちた友達も何も感じたりはしていなかった。
でも裏にある話と照らし合わせると、やはり何かがあると確信できる。
先生はじぶんで「霊感はないが」と前置きしてから、この街には何かがあると断言していた。
それは俺も間違いないと思う。
後半グダグダになりましたが、一応これで終わりです。質問あればどうぞ
完
おもしろかったよ
>>48
くそ、こんなので!
楽しめたよ乙